黒島での移住生活:留学生を受け入れる潮かぜハウス1年目

三島村移住

こんにちは、私は乙守寿隆(宮崎県都城市出身)と申します。
私と妻、亜沙子(青森県大間町出身)は三島村が実施している山海留学制度に応募してきた留学生(潮かぜ留学生)を受け入れる「潮かぜハウス」を今年度より黒島は大里地区にて管理しております。

今回このブログへの寄稿の機会を頂きましたので、移住者である我々の自己紹介も兼ねましてここ黒島での生活をご紹介させていただきたいと思います。

自己紹介:私たちが黒島に移住するまで

私たち夫婦は、昨年まで国際協力機構で勤務しておりました。
皆様にはJICAといったほうが聞いたことがあるかもしれませんね。

ここは、日本のODAを実施しており、青年海外協力隊をはじめとする海外で活動するボランティアを派遣している政府機関です。また最近は国内の中小企業の海外進出支援や、グローバル人材育成を目的とし、各都道府県の教育委員会と協定を結び学習支援を行っております。

私たちは、その中で青年海外協力隊員として派遣する前に、国内で必要な知識を訓練するJICA駒ヶ根青年海外協力隊訓練所という部署で勤務しておりました。

ここは派遣前の語学訓練はもちろん異文化に適用するための6つのコースに分かれた講座、双方の学習度合いを確認する中間、最終試験、地域貢献活動など70日間で約500コマのトレーニングを実施しております。特に語学は70日間で中学生約3年間に相当する時間数をこなします。
その施設で私は訓練管理や中小企業支援、妻は診療室にてボランティア候補生の健康管理や様々な国に行くために必要な予防接種の調達、接種などを担当しておりました。

夫婦とも青年海外協力隊も経験しておりまして、私はパプアニューギニア、妻はパラグアイで青年海外協力隊の経験があります。開発途上国といわれている国での様々な活動は私たちにとって逆に彼らから学ぶことの多い、かけがえのない経験となりました。この体験はまたの機会にお話ししたいと思います。

日本の国際協力は、国民皆様の税金で成り立っており、協力隊派遣や国際協力関係の業務についた我々はその職を離れても、その意義ややりがいを等身大で伝えていく使命を持っていると思っております。
少し長くなってしまいましたが、自己紹介と兼ねまして簡単ですが、宣伝させていただいた次第です。

そんな私たちが、昨年里親業務に関心を持ち、全国各市町村の取り組みを調べていく中で、移住と里親双方の制度がしっかりしている、ここ三島村の取り組みに興味を持ちました。
一度夫婦で黒島へ下見に訪れ、地域の方々と生活、住居環境を確認させていただき、今年3月に移住することに決めました。

初めて黒島へ向かった時の印象から移住初年度の私たち

初めてフェリーみしまに乗船し、黒島へ向かった時のことは忘れもしません。
地図上ではそんなに離れていないように感じていたのですが、片道5時間半もかかる航路。少し船旅に疲れて来たころに見える竹林の美しい竹島、初めて見る海の色に驚愕した硫黄島、そして最後に黒々とした印象で壮大な崖に驚いたここ黒島に到着いたしました。

釣りが好きであった私にとってはとてもうれしい環境である反面、南国特有の遠浅のビーチというものは見当たりません。ここに住んでいる方がたがどのような生活スタイルで暮らしているのかとても興味がわいたことを覚えております。

引っ越し当日から地域の方々には大変お世話になりました。
大量の引っ越し荷物を軽トラックなどで、潮かぜハウスに搬入。
皆さん初対面ながら気さくに話しかけてくれて、時間がかかることを覚悟していた作業も一時間程度で終わってしまいました。

皆様口数は多くない印象ですが、私たちはとてもやさしい黒島の方々に囲まれております。
島でとれたヤギ肉を持ってきていただいたり、とれた野菜を子供に食べさせてと玄関においてくださったり潮かぜハウスを気にかけてくださる方も多くて、移住初年度の私たちはおかげさまでここ黒島大里地区にて穏やかに生活できております。

初めての「潮かぜハウス」での里親生活

現在私たちは4名の中学生の男の子を預かっております。
子育て経験のない我々夫婦にとっては、すべてが未知の世界で、彼らの個性を生かしながらどう集団生活のバランスをとっていくか、成長期の彼らへの食事、良質な会話など考えればキリがないですが、なるだけ等身大の我々で接することが出来るよう工夫しながら取り組んでおります。

最初着任したときは、お互い怒ってしまうことも多かったのですが、少しずつ会話を重ね距離が近くなっていくことを実感できる気がしてきております。もちろんこの業務は始まったばかり、彼らと離れたり近づいたりを繰り返しながらお互い成長していくのだろうなと夫婦でよく話しております。

普段は、子供を学校に送り出し、家の掃除、洗濯を終わらせ、余裕があるときは夫婦で釣りに行きます。
地域の県道伐採や婦人会の調理などもなるだけ積極的に参加しようと心がけております。
でもなんだかんだ時間を費やしているのは、夫婦で子供のことについて議論する時間です。
出来るだけ夫婦でよく話し、共通認識をもって子供たちと接するように心がけております。

潮かぜハウスは、留学生の概要に沿って自分のことは自分で出来るように家の手伝いを当番制で決めており、それぞれ責任をもってやっております。地域におられる里親経験者の話や、地域の方々との話を通じて、どのような接し方が子供にとっていいのか考えることは、全く新しい体験で、我々自身にも大きな成長を与えてくれる経験になります。
まだ始まったばかりの黒島生活、まだ皆さんの期待に添えるような面白い体験談は語れるほどなくて、今は日々起こることに翻弄されながらの毎日です。
大きな野望を抱きながら初めての移住生活を楽しみながらやってまいります。


最後に、日々の楽しみはやはり食事。
夫婦で島の幸を頂きながら焼酎を飲んでおります。
夫婦とも鹿児島出身ではないので好きなお酒はそれぞれ違いますが、お酒好きの我々にとってここ黒島に焼酎蔵ができたことは大変うれしいニュースです。

手塩にかけた麹菌が何週間も発酵しながら味わい深い焼酎が出来上がるがごとく、我々潮かぜハウスもじっくり子供の成長を見守れるように、そしてここ黒島での様々な経験が彼らの糧となり、将来に羽ばたけるきっかけとなるような・・・そんな施設にしていけたらと思う今日この頃です。