地域おこし協力隊から杜氏を目指して、濵田酒造にて3か月の焼酎づくり研修を終えて

焼酎プロジェクト

こんにちは
三島村黒島地域おこし協力隊の坂元です。

昨年の9月~12月の3か月
いちき串木野市にある濵田酒造(株)伝兵衛蔵にて
芋焼酎づくりの研修に行ってきました。

伝兵衛蔵は明治元年から続く、伝統的な蔵です。
製法も昔ながらの製法にこだわっています。

蒸留機

写真は伝兵衛蔵のこだわりの1つである木桶蒸留器です。

昔ながらの製法の中に、最新の知識や知恵が反映されていて、
ひとつひとつの工程がとても丁寧です。

細部にまで蔵人の心遣いが行き届いている、
職人魂のこもった現場での研修は、とても貴重な体験となりました。

さて今回は、
伝兵衛蔵での研修を終えて学んだことなどを書いていきます。

芋焼酎杜氏になるための研修 1日の流れ

私の実家から研修場所の伝兵衛蔵に通っていました。
蔵までは、車で1時間程かかります。

朝6時に家を出発します。
途中のコンビニで昼ごはんを調達し、
7時過ぎに蔵に到着します。

到着したら、作業着に着替えます。

蔵の製造現場は上下の服装から靴まで着替える必要があるのです。
そして、しっかりキャップもかぶります。

目に見えない微生物を扱う現場なので、
衛生面には細心の注意を払っています。

着替え終わり、7時半になったら
ラジオ体操が始まります。

焼酎づくりは、からだをよく動かすので
まずはからだをほぐします。

そのあとの朝礼で今日の作業を確認して、
焼酎づくりスタートです。

午前の作業は、
1次仕込み午後にある2次仕込みの準備です。
これに加え、麹づくり蒸留もろみの管理もします。

(麹づくりや蒸留やもろみの管理は午後もします。)

芋焼酎1次仕込み2次仕込み

1次仕込みで水と麹と酵母を混ぜたものを1次もろみといい、

2次仕込みで水と酒母と芋を混ぜたものを2次もろみといいます。

午前中は、

米やイモを蒸したり、
仕込み水をカメに準備したり、
カメの掃除をしたり・・・、

と、作業数が多いですが、
しっかり役割分担をすることと、
蔵人一人ひとりが周りをサポートすることで、
きちんと時間内に作業が進んでいきます。

午後からの作業は
麹づくり、蒸留、もろみの管理、2次仕込み、片付けです。

製麹

写真は麹をつくっている様子です(種付け)

午後は2次仕込みがメインの作業になってくるのですが、
これが一番私の印象に残った作業でした。

芋焼酎2次仕込み

2次仕込みとは、
酒母(1次もろみ)と水と芋をカメの中に混ぜ込む作業です。

芋は蒸したものを、適温にしてから、
粉砕機で細かくして人力でカメまで運びます。

これはチームワークが必要で、結構時間もかかります。

2次仕込みが終わったあとは、
製造現場をキレイに片付けます。

床から道具までキレイにしたら、終礼です。

終礼では、必ずその日の仕込みのデータを確認します。
万が一、何か違和感に気付いた場合、
すぐに現場へ向かって確認することができます。

生き物が相手なので、
毎日同じ作業をしているようにみえて、
その日の天候や気温、現場の人数などで、
作業の流れの微調整をしています。

芋焼酎杜氏研修で学んだこと

今回の研修では、
作業の1つ1つには、美味しい焼酎をつくるための
意味やねらいがあることを学びました。

例えば、

先ほど出てきたもろみの管理では、
朝・夕の2回、もろみを混ぜたり、
温度を測ったりします。

もろみを混ぜる時は、かい棒と呼ばれる棒で、
カメの中に入っているもろみを、全体的にかき混ぜます。
この作業をかく拌(櫂入れ)といいます。

芋焼酎2次仕込み

(焼酎づくりといえば、このもろみを混ぜる作業を
イメージする人が多いのではないでしょうか。)

なぜかく拌が必要なのでしょうか?

それは、

もろみの発酵が進むと、
もろみ中のアルコールや糖濃度が不均一になっていくからです。

かく拌で成分を均一にすることにより、
溶解や発酵を促進したり、表面に雑菌が繁殖しないようにしたりと、
とても重要な役割を果たしています。

芋焼酎攪拌

そして、かく拌とセットになっているのが、
もろみの温度を測るという作業です。

もろみの温度にもねらいがあります。
1次もろみ、2次もろみ、発酵日数などでねらいの数値が変わります。

仕込んでからあまり日数が経っていない若いもろみは、
酵母の増殖や発酵が盛んに行われています。

つまり、若いもろみは内部の活動が盛んなため、
温度が急上昇しやすいという特徴があります。

芋焼酎酵母発酵

もろみの温度が高い時は、
冷却器を用いてねらいの温度に保つ必要があります。

原料を十分に発酵させ、アルコールを生成するには
もろみの管理をどのようにするかが1つのポイントになります。

伝兵衛蔵は昔ながらの製法を受け継ぐ焼酎蔵ということで、
焼酎づくりの基本をしっかりと体験することができました。

今年から稼働する、みしま焼酎無垢の蔵の焼酎づくりにも
今回の経験と学んだことが生きてくるはずです。

関連記事
焼酎みしま村・焼酎メンドンのつくり方(製造方法)

焼酎プロジェクト・みしま焼酎無垢の蔵への想い、焼酎ブームをもう一度!

私が地域おこし協力隊になるきっかけを与えてくれたのは
焼酎プロジェクトであり、みしま焼酎無垢の蔵です。

正直、このプロジェクトがなければ、
黒島に訪れることすら無かったかもしれません。

こうして地域おこし協力隊になり、
黒島に住み、焼酎プロジェクトの一員として活動しています。

そして、
みしま焼酎無垢の蔵稼働に向けた作業は着々と進んでいます。

みしま焼酎無垢の蔵

日に日に蔵の稼働が近づいてくるのを実感し、
気の引き締まる想いと、ワクワクが両方押し寄せてきます。

焼酎ブームという言葉を聞くことが少なくなり、
鹿児島県が焼酎出荷量を宮崎県に抜かれる中、
やはり、鹿児島といえば焼酎だ!
という想いが私にはあります。

2度の焼酎づくり研修やベニオトメ栽培など、
着実に焼酎プロジェクトは前進しています。

このプロジェクトを多くの人に知ってもらって、
今より多くの人に三島村の焼酎を飲んでもらえるように頑張ります。

時代は繰り返すとも言いますし、
またまた焼酎ブームが押し寄せてくるかもしれません。

胸を張って
「三島村には島でつくった美味しい焼酎があるよ!」
と言える様になれれば良いなと思います。

関連記事
焼酎好きは知っておきたい幻の焼酎!焼酎みしま村と焼酎メンドン紹介

小さな島の取り組みですが、
目標を高く持って、永く続くプロジェクトになって欲しいです。

最後まで読んでいただいてありがとうございました。