⽇本最⼩規模の村、焼酎で地域おこしを

⿅児島県三島村は⼈⼝374名(2019年8月時点)、⼈⼝減少や⾼齢化、といった課題を抱えている⽇本最⼩規模の村です。 三島村は⽵島・硫⻩島・⿊島の三島の島からできていて、そのうち1島の黒島に地域おこしを目的として「みしま焼酎 無垢の蔵」が新設されました。(2018年9月稼働開始) 全国的にも珍しい公設公営の焼酎蔵で、島のさつま芋と⽔を使って焼酎を造る地域おこしプロジェクトが行われています。

村民、役場職員と老舗焼酎関連メーカーとの連携

焼酎プロジェクトは三島村⺠と三島村役場、鹿児島本土の⽼舗の焼酎関連企業の人々が連携することで成り⽴っています。 まず、原料となるさつま芋・ベニオトメは、⽼⼈会・さつまいも耕作農家が中⼼となり、栽培を⾏います。春の育苗・植付から秋の芋収穫・選別までの多岐にわたる作業を、2005年から⾏ってきました。 そして、村役場はプロジェクト推進や休眠農地の開拓等を行い、役場職員自身も焼酎蔵で勤務して実際に焼酎製造にあたります。焼酎製造場は、島民と役場職員や地域おこし協力隊などの移住者が交ざって仕事をする場所になっています。 また、本プロジェクトでみしま焼酎無垢の蔵で焼酎を造るにあたり、濵田酒造様を始めとした⽼舗の焼酎製造関連企業様の技術支援をいただいており、皆様の支えによって焼酎プロジェクトは運営されています。

村内製造にたどり着くまでの14年間

焼酎プロジェクトは9代⽬の栗原村⻑が村内で焼酎を造りたい、との想いからスタートしました。しかし、当初は免許や法律の関係で焼酎を村内では作れず、原料のさつま芋を三島村から濵⽥酒造様へ送り焼酎を製造する形で焼酎みしま村が誕⽣しました。 最初の焼酎みしま村が誕生してから13年間、濵田酒造様にて焼酎みしま村は毎年作られ続けました。また、2017年からは、硫黄島産のサツマイモを使った焼酎「メンドン」も製造されています。 そして、現・⼤⼭村⻑の働きかけにより「焼酎特区」という内閣総理⼤⾂の認定を受けることができました。2018年、ついに念願かなって村内に焼酎蔵を新設することとなり、現在村内製造の焼酎販売に至っています。 ※焼酎特区とは、製造数量が酒税法に規定される基準未満でも焼酎を製造できる特別区域のことです。三島村では村内のサツマイモと水を使用することを条件として、焼酎特区に認定されています。

焼酎プロジェクト・新酒初蔵出しまでの歩み

平成15年12月
焼酎プロジェクトチーム発足
平成16年11月
濵田酒造(株)への委託製造開始
平成17年4月
初代「焼酎みしま村」販売開始(製造1,000本)
平成26年4月
「焼酎みしま村」発売10周年記念祝賀会開催
平成28年12月
平成29年度税制改正大網閣議決定 (酒造の製造免許に係る最低製造数量基準の適用除外)
平成29年4月
濵田酒造(株)との技術支援業務委託締結
 6月
「構造改革特別区域法の一部を改正する法律」成立
  
焼酎蔵プロジェクト推進協議会発足 (外部専門家、地域代表、行政による経営戦略協議平成31年3月まで継続)
 9月
杜氏養成のための坂元巧斉氏の研修派遣 (受入教育企業:濵田酒造(株)期間:90日)
平成29年12月
構造改革特別区域「みしま村芋焼酎特区」認定
平成30年5月
新酒用原料サツマイモ作付(面積 約25アール)
 7月
焼酎蔵整備全工事完了(総事業費 約3億2千万円)
 9月
焼酎製造免許取得
  
「みしま焼酎 無垢の蔵」落成式
平成30年10月
「みしま焼酎 無垢の蔵」操業開始 (初年度原料用サツマイモ受入4,800kg)
 12月
「焼酎みしま村」蒸留作業完了
平成31年4月
「焼酎みしま村」初回製造1,060本(720ml) (平成31年度製造計画総量4,300本) 操業従事者 濵田酒造(株) 技術者派遣9名 延143日 蔵従業員 職員2名 地元雇用5名
令和元年5月1日
「焼酎みしま村」新酒お披露目会 「焼酎みしま村」販売開始