焼酎を海外進出に向けてブランディングしよう!

こんにちは

みしま焼酎 無垢の蔵 杜氏の坂元です。

突然ですが、英語で「Sake」と言うと一般的には「日本酒」のことを指すようです。

私が鹿児島出身だからなのか、

「焼酎も Sake じゃないの?」

「じゃあ、焼酎は英語でなんて言うの?」

といった具合に、妙な違和感を感じました。

また、これは焼酎の世界的な知名度の問題では?

と思い、調べてみると焼酎は英語で「Shochu」と表現され、やはり日本酒よりも知名度が低いということでした。

これは焼酎製造者として憂うべきことであり、逆に伸びしろがあるという事でこれからの課題だと思いました。

 

ということで今回の記事では、

急に大きなテーマを扱うので驚くかもしれませんが「焼酎の海外進出」をテーマに書いていきたいと思います。

日本産酒類の輸出額はグンと伸びているが、焼酎は横ばい

財務省貿易統計のデータを見てみると、日本産酒類の輸出額は

2019年は約661億円で、2009年の約154億円あたりから順調に伸びてきていました。

スゴい事ですよね、日本で作られたお酒に海外からの注目が集まってきているようです。

そして輸出金額のシェア上位5品目を並べてみると、

1位・・・日本酒 35.4%

2位・・・ウイスキー 29.4%

3位・・・ビール 13.9%

4位・・・リキュール 9.7%

5位・・・ジン・ウォッカ 5.1%

この5つのうち、日本酒、ウイスキー、リキュール、ジン・ウォッカは着実に伸びてきている様子。

ちなみに焼酎はというと6位です。

ここ2・3年でジン・ウォッカに抜かれてしまっていました。

輸出額で見るウイスキー・ジン・ウォッカの伸び

前年からの輸出額の増減率を見ていくと

ウイスキーは+29.9%

ジン・ウォッカは+54.1%

という大きな伸びを見せています。

 

日本で生産されているジャパニーズ・ウイスキーは、国外で様々な賞を受賞し、2010年代から輸出が急増しています。

特にアメリカでの人気が沸騰していて、日本からアメリカへのジャパニーズウイスキーの輸出額は約54億円です。

酒類輸出額が約661億円だったことを考えると、アメリカへのウイスキーの輸出だけで54億円はスゴいですよね。

ちなみに日本が一番焼酎を輸出している国は中国で約5億円です。

次いで日本の焼酎の輸出が多い国はアメリカ・タイと続きます。

しかし輸出額を考えると、ジャパニーズウイスキーがガンガン売れているアメリカでは、残念ながら焼酎はあまり飲まれていないということです。

 

そしてジン・ウォッカの輸出額の伸びは、数年で焼酎を上回るほど勢いがありますが、特にジンの流行がスゴいですね。

近年のジンの流行はイギリスから始まり、イギリス国内だけでなく世界へ広がり、日本のジン輸出拡大に繋がったようです。

ジン・ウォッカを日本が一番輸出している国は、やはりアメリカで約10億円です。

次いで、オランダ・オーストラリアです。

蒸留酒の伸びがスゴい【焼酎を世界へアピール】

日本産のウイスキーやジンはアメリカで人気が集まっていて、焼酎はイマイチ伸びていない状況です。

どうやらアメリカでは蒸留酒はバーに置かれることが多いそうです。

さらに、ウイスキーやテキーラなどの蒸留酒は食前・食後に飲み、ビールやワインなどの醸造酒は食中酒として飲まれる傾向があるようです。

ということは、蒸留酒であり日本ではよく食中酒として飲まれている焼酎は異文化的存在なのかもしれませんね。

 

しかし「だから今後もアメリカや外国では焼酎は売れないだろう」ということではなく、

「日本の蒸留酒」として評価してもらえれば伸びしろがあるお酒だ、と私は思いました。

・和食料理に合う食中酒

・水やお湯で割って飲める

・芋、米、麦など主原料が様々である

など多彩な切り口のある面白いお酒ですよね。

海外を視野に入れた焼酎のブランディングをしなければならない

私たち「みしま村焼酎プロジェクト」が製造している

・焼酎みしま村

・焼酎メンドン

のラベルには地理的表示「薩摩」SATSUMA SHOCHUが表示されています。

農林水産省のHPによると「地理的表示」とは、

農林水産物・食品等の名称で、その名称から当該産品の産地を特定でき、産品の品質や社会的評価等の確立した特性が当該産地と結び付いているということを特定できる名称の表示をいう。

とされています。

他にも「球磨」「壱岐」「琉球」なども地理的表示として認定されています。

焼酎の日本国内における発展は、先人達が作り上げてきた焼酎へのイメージや製造技術、産地ブランドなどが土台にあると思います。

ウイスキーやテキーラ、ジンの人気や流行の背景をみると、一朝一夕の流行り廃りではなく国・地域の支えや多くの人々が関わって作り上げてきたものだということが分かります。

焼酎もブランドや技術をさらに洗練し、海外を視野に含めて焼酎のことを発信していくことがこれからの私たちの課題であると思います。

 

今回はここまでです、最後までお読みいただきありがとうございました。

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