男子禁制!! 女性だけが入れるエバドンの墓とは?!【鹿児島・離島】

こんにちは‼
焼酎蔵従業員(黒島地域おこし協力隊)の末國千佳です。

今回は、三島村黒島の片泊地区で、
毎年夏に行われている女性だけの伝統行事についてお伝えします。

伝統行事で行っている内容や、
「エバドンの墓」に女性しか入れない意外過ぎる理由など、
活動の写真とともに紹介していきます。

島の伝統や地域で暮らす女性たちの雰囲気が少しでも伝わればと思いますので、
ぜひぜひご覧ください😊

男子禁制! 離島の中でも秘密の場所(?) エバドンの墓へ

これから紹介するのは、人里離れた場所にある「エバドンの墓」。
こちらは昔から完全男子禁制の場所とされています。

女性だけしか入れないという決まりのため、
毎年夏になると、片泊地区の婦人会のメンバーを中心として
女性のみで集まりエバドンの墓へ向かいます。

昔々、島に流れ着いた大場三郎家政という方のお墓とのことで、
墓石はなんと鎌倉期のものだそうです

「エバドン」というのは、「大場どん」がなまったものだとか。

※上の写真は、エバドンの墓の周辺にある看板です。

エバドンの墓で女性だけが集まって行う行事とは?!

エバドンの墓では、お墓周辺の清掃、竹細工、踊りなど、
古くからのルールに従って女性だけで行事が行われています。

過酷すぎるルールや昔の作業の様子も交えて、エバドンの墓について紹介します。

まずは、お墓の周りの清掃から もちろん女性だけで作業です

婦人会のメンバーを中心に、もちろん女性だけで集まって作業を行います。
今回は、10人程度でエバドンの墓に向かいました。

昔は歩いて山道を登りエバドンの墓まで向かっていたそうですが、
かなり集落からは遠いので、今では近くまで車で向かいます。

ちなみに、親族が亡くなったばかりの人など「穢れ」がある場合は、
女性であってもお墓の周辺に近づくことはできません。
その場合は、お墓までの道を整える仕事にあたるとのことでした。

完全に林の中、虫いっぱいの中での作業になりますが、
エバドンの墓の掃除は、なんと靴を脱いで行います。

上の写真のように島のベテランの方は裸足で清掃を行っていますね💦
(基本的に近年は靴下着用で作業をしています。)

片泊に住む女性たちにインタビューを行ったところ、
以下の通り、とにかく昔からずっと裸足が伝統のようです。

80代女性
昔から裸足ね。
そもそも昔は山草履に裸足だったから、靴下なんて履いてなかったわー。
※鹿児島弁、島言葉を意訳しています。
60代女性
お邪魔するのに失礼かな、ということで靴を脱いでるよ

その他、草取りをしているときに出てきた石はその辺に転がしたり投げたりせずに、
しっかり埋め直す等の掃除に関するルールがあります。

竹細工でお供え物用の小さなテーブルなどを作る

お供え物を置くためのテーブルなどを、その場で竹を切って作ります。

島の方は竹細工も手慣れたもので、カマを使って器用にテーブルを作り、
花瓶代わりの短く切った竹にも綺麗にジグザグ模様を刻んでいきます。

この簡易祭壇のようなものの作り方も、昔から伝わる方法を完全に引き継いでいるそうです。
最近、モノクロ写真の時代に撮られたエバドンの墓の写真を見ましたが、
全く同じ竹細工がお墓の前にありました。

こちらが完成したテーブルと花瓶です。
竹でできたミニテーブルには、米と塩が乗せられています。

こちらの竹を切ってくる場所も伝統的に決められていて、
必ずその場所から竹を切って来なければテーブルが作れません。

お祈りをして、女性だけで踊りを捧げる

エバドンの墓の周辺の掃除を終え、お供えものの準備が完了したら、
お墓に向かって五穀豊穣や安全、健康を祈願します。

最後にお墓の周りで円を作り、
島に伝わる女性だけの踊りを捧げます。

踊りのための曲を流すのにはラジカセを使いました。
ラジカセ……ここでも伝統を感じますね。

どうしてエバドンの墓は男子禁制なの?!

エバドンの墓が鎌倉期のものということは、何百年も男子禁制で守られてきたということです‼

一体どうしてこんなにも長い間、女性だけで墓を守り続けているのか、
エバドンの墓の清掃にも一緒に行った黒島出身の女性に聞いてみました。

男性が入ると呪われるとか、そんな言われがあるのでしょうか……😱

末國
どうしてエバドンの墓には女性しか入れないんですか?
片泊在住女性
え、理由? エバドンが女性大好きだからよ!
末國
えっ?(そんなシンプルな理由……?)
片泊在住女性
大場三郎さんがとにかく女性が大好きって話で、結婚したのも島一番の美人だったそうよー

男子禁制の理由については……以上です。
深い理由がなさ過ぎて意外でした😅

その他の片泊地区の婦人会活動

片泊地区の婦人会では、高齢者の皆さま向けのお弁当作りなど、
他にも地域活動を行っています。

上の写真は先日の敬老会の時に作ったお弁当です。
さらなるご長寿を目指していただくということで、海老スペシャル😊

ちなみに片泊の婦人会は結婚していなくても入会資格が得られるので、
独身なのに私は婦人会活動に参加しています。
(過疎化により結婚しているかしていないかに、こだわっていられないというのもあります。)

お弁当作りに参加すると料理を教えてもらえるので、とってもラッキーなんです
最近では失敗しがちながらも、天ぷらが作れるようになりました!

移住する前は不安しかなかったですが、片泊は独身女性も過ごしやすい地区でした👌

男子禁制のエバドンの墓は片泊の女性の手で守られ続けてきた

写真はエバドンの墓の近くから見える景色です。
男性はお墓に入ることはできませんが、絶景の見えるポイントの一つなので、
観光でお越しになった際は、ぜひ見に来てください。

島の伝統行事は多数ありますが、初めて男子禁制の行事に今回出会いました。
男性だけで行う行事の方が多い気がしていたので、
島に住んでいる私としてはちょっと新鮮でしたね😊

島の行事については(ほぼ)リアルタイムでTwitterでも更新しています。
Twitterのみしま焼酎無垢の蔵のアカウントもご覧ください↓↓

最後までご覧いただき、ありがとうございました‼

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