ぽこぽこぶくぶく二次仕込み|お芋さんが凄い勢いで醸されてます♪

こんちには!

無垢の蔵の臼木です。

最近の無垢の蔵は、焼酎造りの真っ最中!

そんなわけで蔵の近況報告も兼ねまして、二次仕込みの作業内容を記事にしました。

本記事が皆様にとって、我々の今を知ってもらうきっかけになれば、とても嬉しいです!

そもそも二次仕込みって何?っていうお話

まずは言葉の説明をしておきましょう♪

『二次仕込み』とは、こちらの記事『芳醇な香り、1次モロミ発酵中!』で調製した一次もろみ(=お米+麹カビ+酵母)に対して、ほくほくに蒸したサツマイモを投入し、アルコール発酵させる段階です。

少し専門的な話をすると・・・

一次もろみ中には二種類の微生物が共存しているんですね。

一つはコウジカビで、これはサツマイモに含まれる『デンプン』を分解して、『グルコース(お砂糖の事です)』を作る役割を持ちます。

で、もう一種類の微生物が酵母です。

この微生物は、コウジカビが生産したグルコースを、すぐさまアルコールへと変換してくれます。

そんな訳でざっくり説明すると、『二次仕込みとは、カビと酵母が手を取り合って、デンプンをアルコールに変換する反応』って事になります。

ここ、テストに出るので、覚えておくように!

STEP1|芋蒸機(いもむしき)でお芋さんを蒸して、潰します

さてさて、二次仕込みの実際の作業に移りましょう。

まず最初に『芋を蒸す』という作業が必要なのですが、一回の蒸しでお芋さんを300kgも使っちゃいます。

そのため、こんなにでっかい専用の装置を使う必要があります。

芋蒸機

ちなみに、これは余談ですが・・・

私がこの装置の説明を先輩方から受けた時は、『芋蒸機(いもむしき)』『芋虫機(イモムシキ)』に聞こえて仕方がなくて、笑いを堪えるのに必死だったことは、ここだけの秘密です(笑)

 

STEP2|一次もろみにお芋さんを投入!

続きまして、上の装置でふかしたお芋さんを、一次もろみで満たされたタンクへと投入します。

タンクはこんな感じで、全容量で1500Lくらいの大容量でして、身長165cmの私が7人くらいは余裕で入るくらいのサイズ感かな?

二次仕込みタンク

我々の蔵では、この段階、つまり『蒸した芋をタンクに入れる』という作業を完全に人力でこなしていまして、『The 肉体労働!』というイメージがピッタリの、そんな段階です。

具体的には、

  1. 芋蒸機から出てきたペースト状のお芋さんを清潔な容器に入れて、
  2. 一次もろみで満たされたタンクまで運び、
  3. はしごを登ってタンク内へと投入し、
  4. 間髪入れずにタンク内の二次もろみを攪拌(=タンク内のもろみをかき回す操作)する

という、なんだかとっても地味な作業を、男手三人で黙々とこなしています。

ちなみに、この作業中は蔵内から一切の会話が消えて無くなります。

そして、芋蒸機の『ウィーン♪』というノスタルジックな機械音と、タンクにお芋さんを投入する時の『ボチャン♪』という音のみで蔵内が満たされます。

話をしている余裕も無ければ体力だって無い、そんな段階だと考えて下さい。

ちなみに、個人的には『良い筋トレ』だと思って作業に励んでいるので、ちっともつらくはないです。

むしろ、楽しさと爽快感すら感じてます。

この嘘は、本当です!

STEP3|醸します♪(並行複発酵の段階)

人間の作業は、ここまででほぼ終了。
ここから先の作業は、コウジカビと酵母にバトンタッチです。

一日二回、朝と夕方にタンク内の二次モロミを私たちが攪拌しつつ、温度管理をしてあげます。

そうすると・・・

二次もろみ

写真だと伝わりにくいのですが、『ポコポコ♪ブクブク♪』と生命感溢れる音を奏でながら、二次もろみの発酵が進みます。

  1. コウジカビがお芋さんのデンプンをグルコースに代える(発酵①)
  2. 生じたグルコースを、酵母がアルコールと二酸化炭素に変える(発酵②)
  3. 上記の①と②の発酵反応が同時に進行する

二段階の微生物発酵が同時並行的に進むため、専門的には『並行複発酵』と呼ばれるのですが、難しい表現をするのは無粋かもしれません。

この中で、コウジカビと酵母が芋を醸し、アルコールが出来ている・・・

ただそれだけの、奇蹟の化学反応です。

さて、今日のお話はここまで。

次回は、『蒸留』の段階を解説予定です。

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