三島村のベニオトメ栽培について、老人会や農家の方々の協力を頂いて10年以上栽培しています。

こんにちは
三島村黒島地域おこし協力隊の坂元です。

三島村の黒島は長年サツマイモの栽培が盛んに行われています。

今年は連日の猛暑が続いていますが、ベニオトメは暑さにも負けていません。
ベニオトメ
黒島の大里老人会では、毎年ベニオトメ栽培の植え付けや収穫を行っています。
焼酎みしま村の製造が始まった平成17年から続く毎年恒例の作業になっています。

そういう私は、サツマイモのベニオトメ栽培を始めて2年目なので、
サツマイモ栽培の大先輩がたくさんいることは、とても心強く感じています。

畝立てとマルチ張りにトラクターを導入したり、ウイルスフリー苗を植えてみたり、
硬質ハウスで育苗を始めたり、常に新しいチャレンジと勉強の毎日で、

より良質なベニオトメを焼酎の原料芋として安定して供給できるように奮闘しているところです。

今回はベニオトメ栽培を行っている大里老人会や、
ベニオトメ栽培に関する取り組みや注意していることを紹介していきます。

三島村黒島産ベニオトメの苗植えに収穫、大活躍する大里老人会の方々

毎年2~3トンのベニオトメを小さな島で栽培するのは、
年々人口が減少し、島民の高齢化も進む中、大変な面も多いです。

しかし、小さなコミュニティだからこそ、
周囲の協力を大切にしながら三島村は、ベニオトメ栽培に取り組んでいます。

三島村ベニオトメ栽培老人会

黒島の大里地区では、
植え付けや収穫の時期になると地区内放送で老人会を呼び集めます。

毎回10名以上の人数で一緒に汗を流して、
そして時には近くの牛舎や牧場から聞こえる牛の鳴き声を聞きながら、作業に取り組んでいます。

老人会は10年以上もこのベニオトメ栽培を続けているので、
老人会の方々と一緒に作業をすると、とてもスムーズに作業が進みます。

そして、汗をかいた後の茶菓子タイムでは、昔の島の話など興味深い話が聞けたりします。

こういう老人会の作業を通しての交流が、地区に活気を与えてくれます。

私の住む大里地区はのんびりした空気が流れていて、
子どもから高齢者まで活躍する本当に元気な地区です。

黒島では硬質ハウスを活用してベニオトメの苗を育てています

硬質ハウスベニオトメ育苗

良質なベニオトメの生産に加え、焼酎プロジェクトが取り組んでいる、
ベニオトメ増産計画を実行していくためには、苗の安定した供給が必要です。

そのために、今までは路地に苗床を作り育苗していましたが、
今年からは硬質ハウス内に苗床を作り、新たな育苗の手法を取り入れました。

ハウス内の温度管理や地温管理、土造りなど、まだまだ改善点が多いところです。

その年ごとの温度変化や気候変動にも対応できるようにし、早い時期に種芋の萌芽を促し、
余裕を持って栽培計画を実行していきたいと考えています。

今年は萌芽のタイミングが遅くなってしまったので、来年は伏せ込み時期を早め、
温度管理や土造りで萌芽を早めるように調整をしていく予定です。

健全なベニオトメ栽培には欠かせないウイルスフリー苗を導入しています。

ベニオトメウイルスフリー苗

サツマイモは種芋を伏せ込んで、その種芋から伸びたツルを苗にします。

したがって、
種芋が病気にかかってしまうと、その種芋から伸びた苗も同じ病気にかかってしまいます。

サツマイモは収穫時に病気にかかっていなくても、
冬を越すための保管中に病気にかかってしまうこともあります。

そのため、種芋の伏せ込み時は腐敗のない無病種芋を選別しています。

もしウイルス病が蔓延してしまうと、
良質なベニオトメの栽培ができなくなってしまいます。

そこで、
ウイルスを持っていない苗「ウイルスフリー苗」を導入しています。

ウイルスフリー苗を作るためには、
生長点と呼ばれる組織を無菌状態で苗まで成長させる技術が必要です。

三島村では、鹿児島県本土にある山川高校に協力を頂いて、
このウイルスフリー苗の親株を導入することができています。

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焼酎みしま村と焼酎メンドンの原料芋としてベニオトメを使用しているその訳

三島村は離島、自然を相手にしていることを忘れない

三島村黒島

私たちの住む三島村では、大型台風の接近により被害を受けることがあります。

まず、強風による直接的な被害だけでなく、
フェリーが連日休航になり、物資が届かないなどの間接的なダメージもあります。

県本土から離れた離島だけに、
常に自然災害にはアンテナを張り予測しながら行動しなければなりません。

その年の自然の変化は、当然ベニオトメ栽培の結果にも影響してきます。
私たちにできることは、注意深く今年の気候、天候、台風の発生や進路を観察することです。

近年の猛暑や大雨などの異常気象が、
ベニオトメ等の農作物にどのような影響を与えるのかを観察しながら、
今まで以上に良いものを作れるように頑張っていきます。

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