ベニオトメの石焼き芋はしっとり甘く、香ばしい【石焼き芋機によるじっくり焼きの効果】

こんにちは

みしま焼酎 無垢の蔵 杜氏の坂元です。

昨シーズンの仕込みが終わってから、半年以上経過しました。

仕込みに使われなかった芋は倉庫に保管されていました。

中には発芽してツルが伸びていた芋もありましたが、良い状態でちょうど良いサイズの芋を集めて石焼き芋を試作してみました。

今回は石焼き芋を作ってみたので、石焼き芋を美味しく作るポイントついて書いていきたいと思います。

石焼き芋機で60分じっくり加熱【しっとり甘くなる】

焼き芋作るときの最大のポイントは、甘みを引き出すことです。

そのためには、「甘くなる温度帯」で長時間加熱をすることです。

甘くなる温度帯の時、芋に何が起きているかというと・・・、

・芋に含まれるデンプンが水分を吸って糊化(こか)=アルファ化する

    ↓

・酵素により糊化したデンプンが分解されて麦芽糖になる

    ↓

・甘くなる

短時間で一気に加熱しても、甘くなる温度帯をすぐに通り越してしまうため、イマイチな味になってしまうわけです。

上の写真が石焼き芋機です。

箱型をしていて、蓋を開けると10円玉サイズくらいの小石がビッシリ入っています。

いきなり芋を入れるわけではなく、火をつけてから15分空焚きをして温めます。

空焚きから焼き上がりまで火加減の調節は必要なく、最後まで強火のままです。

空焚き後、石の上に芋を並べていきます。

空焚きを15分していても、小石の温度はまだまだ上がりきっていません。

芋を並べ終えたら、蓋を閉じて60分待ちます。

じんわり時間をかけて温度を上げることで、甘くなる温度帯をゆっくり通過させることができます。

また、芋を加熱し始めて30分経過した時に一度だけ芋をひっくり返しました。

そしてきっかり60分後、火を止めて中を確認。

手袋を装着して、芋を触ってみると芋の皮が剥がれて浮いているのが分かりました。

ざっくりですが、こうなれば火が通っている合図のようです。

完成!!

実食!石焼き芋独特の甘みと香りが素晴らしい!

焼きたては高温すぎて素手で半分にできないので、包丁でパカリ。

伝わりにくいですが、刃を入れる時に「ぬーっ」と刃が入っていきました。

しっとりしていて柔らかい!

適温になってから食べてみると、甘くてしっとりしていて美味しい。

そして石焼き芋の香ばしさはたまりませんね〜。

石焼き芋の”しっとり食感”の秘訣はペクチンの軟化

焼酎プロジェクトに参加してから、ベニオトメを調理する機会は増えたのですが、

どちらかといえば、ベニオトメはホクホク系のサツマイモだと思います。

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しかし、今回作ったベニオトメの石焼き芋はホクホク系のわりには”しっとり寄り”の食感でした。

 

柔らかくしっとりした食感になったのもじっくり焼きのおかげです。

というのも、石焼き芋機の加熱の終盤は芋の温度がじんわりと80度を超えてきます。

80度を超えるとデンプンを分解する酵素の働きは失われますが”ペクチンの軟化”が起きる温度になります。

このペクチンの軟化が中途半端だと食感にパサつきが出る原因になります。

じっくり時間をかけることで、しっかりペクチンが軟化し、柔らかいしっとり食感になっていったということです。

石焼き芋機による高温加熱によって香ばしさバツグン!

さらに最終段階の高温加熱のおかげで、ベニオトメの皮に少しだけ焦げ目がつき香ばしさが増します。

もちろん焦げすぎないように加熱時間を調節する必要がありますが、今回の60分はちょうど良い時間だったようです。

おそらくサイズや重量によって適切な加熱時間も変化していくと思います。

 

石焼き芋機はじんわり温度が上がっていくのでちょうど良い香ばしさを出しやすいです。

様々な焼き芋の加熱方法がありますが、焦げすぎたり、香ばしさが出なかったり、意外と難しいですよね。

アルミに包んで網の上で焼いたら、焦げすぎたことがありました。

石焼き芋機による加熱は「甘さ・食感・香ばしさ」を引き出す良い方法ですね。

 

ということで、

今回は石焼き芋機でベニオトメの石焼き芋を作ってみましたが、良い感じに作ることができました。

これを特産品商品として販売できたらと考えていますが、果たして、どうなるのでしょうか!?

 

最後までお読み頂きありがとうございました。

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