黒島で食材探しトレッキング。黒島は自然豊かな食材の宝庫だ!

三島村紹介

夏過ぎて、ススキが穂を持ち揺れ始める頃、ゆっくりと流れる時間を楽しみたくて黒島を訪れる。
秋晴れの清々しい日、民宿のおばちゃんに特大おにぎりを作ってもらって、
あてもなく気ままにトレッキングする。至福の時間の始まりです。

黒島で食材探しトレッキング その1 ススキ

黒島の空気はきれい。
潮風を含んだ空気と森から流れてくる空気がブレンドされて美味しい。
十五夜が近づくと十五夜飾りを作るために栗、萩、ススキが都会では売れる。

その栗、萩、ススキが黒島の道沿いには沢山あります。ススキをかき分けながら山道を歩く。
ススキは真夏の感覚とはあわない。「スス」はすくすくとまっすぐ立つことを表し、「キ」は草や茎の意味のことと聞いたことがあった。
風にたなびく穂が動物の尾のように見えるから「尾花」とも言われている。

都会ではススキ1本が50円から100円で花屋に売られているが、目の前には何百本もススキが自生している。

黒島で食材探しトレッキング その2 ツワの花

10月になるとツワの花が山路沿いに咲き誇っている。南下途中にアサギマダラが蜜を求めて花の周りを乱舞しているが、島人たちは春に新芽のツワを自家用の食材として採っている。全国でも大分、宮崎、鹿児島が産地として有名だ。煮物の具材や佃煮として使用されている。通販では生150gで200円位。

黒島で食材探しトレッキング その3 黒島みかん

また何といっても黒島みかんは黒島の代表格の食材だ。
島ではシフォンケーキの材料に使ったりしている。
黒島みかんは、主に島民の方々が栽培をして育てている。
黒島の気候が黒島みかんに合い、あの甘酸っぱい味をつくる。
他の場所だと、育たないことも多いようだ。

黒島で食材探しトレッキング その4 どんぐり

山を登って行くにつれ、どんぐりの木やタブの木が多くなる。
どんぐりは「団栗」と漢字では書きます。団は丸いという意味で丸くて栗のようだからという説や、使いにくい栗から「鈍な栗」からなったという説もある。

近年人気のあるイベリコ豚はどんぐりの森で放牧されて、どんぐりの実が主食です。そういえば長編アニメ「となりのトトロ」ではトトロの食事はどんぐりでした。トトロからお土産にもらったメイとサツキがどんぐりを育てるシーンを思い出す。
でもどんぐりという木はない。クヌギ、コナラ、樫、椎など共通するのをまとめた呼び名だ。
似たり寄ったりのことをどんぐりの背比べというが、見分け方は黒光りしているのが椎の実で、その他は椎の木以外の木、食べられるどんぐりの代表格はスダジイやツブラジイです。
拾ってきて水につけて浮いたものは捨てる。水を切ってフライパンや厚手の鍋で炒るとはじけてくる。
火を止めて冷めないうちに食べる。
紙の封筒に入れて電子レンジでチンでもよい。ナッツのような後を引く美味しさだ。
秋しか食べられない、0円グルメです。
最高のサプリメントであり、1日に5粒でも食べれば効果抜群、元気いっぱい!

黒島で食材探しトレッキング その5 アケビとムベ

途中アケビとムベは見つけたら嬉しい果物?です。
アケビは食べ頃になると分厚い果皮がばっくりと開くから「アケ(開け)ビ(実)」と名づけられたという。甘いバナナのような果実を味わう。アケビの実にはシミやそばかすを予防するビタミンCが多く、含まれ、果皮には利尿効果のあるカリウムが多く含まれるといいます。
ばっくりと開かないのがムベです。
鹿児島弁ではウンベという。アケビとの見分け方がある。
アケビは冬になると葉が落ちてしまうが、ムベは一年中緑を保っている。
ムベは割れないので実に虫がつかない。幼木の時葉が3枚、その後5枚、実のなる頃には7枚になるので、七五三の縁起木とも言われるそうだ。
「食べると長生きする」という言い伝えから不老長寿の実といわれ、滋賀県近江八幡市では古代から昭和50年代まで皇室に献上されてきたという。
ムベの名前の由来について言い伝えがあります。天智天皇(626~671)が現在の近江八幡市一帯に狩りに出かけて奥島山に立ち寄った際に、8人の息子をもった元気な老夫婦に出会い「なぜこのように元気なのか」と訊ねたところ、老夫婦は「この地で採れる無病長寿の果物を、毎年秋に食べているから」と答えて、献上した。それを賞味した天皇が「むべなるかな(もっともだ)」と言ったことから、ムベと呼ばれるようになったという。

黒島で食材探しトレッキング その6 タブの実

大きなタブの木に出くわす。
タブの実も熟すとイチジクの小型版みたいで、つぶつぶ感あり美味しい。

青臭い中にクリームのようなコクがあり、アボガドっぽい感じがしないでもない。

黒島のタブのミについて平成18年10月15日山形大学で開催された日本民俗学会例会において口頭発表された記事をネットで見つけました。それを抜粋して紹介します。
昭和30年代後半ごろまでは、タブノミをちぎってご飯として食べていた。6月頃腰に小さなチュウノンイデク(昼飯入れ籠)を付けて高いタブノキに登りタブノミをちぎった。
チュウノンイデクが一杯になると木から下りてきて、一斗くらい入るムットイイテグ(麦獲り入れ籠)に移し、ムットイイデクが満杯になったら家に担いで帰った。一シーズンに7~8回獲りにいって食べた。昭和10年ころに一斉に竹に花が咲き、実がなり枯れてしまった。その時にねずみが大量にわいて、食べ物を食いつぶして、人にかみつくほどになり、飢饉の状態になった。その頃はそれまで以上にタブノミを食べた。黒島で一シーズンに一家族で一石を食べたという。
山奥深く入った谷のところにタブの大木が立っている。
そのあたりを伐採するときには黒島神社の太夫さんに頼んで山の神に伐採の許可をもらっていたという。
タブの大木は神木といって切ってはならないとされていた。
このように黒島ではタブノキの大木は神聖視する観念が認められているという。
(川野和昭著「タブノミハムギタ メッピュ クダス」の–タビノキとの交渉をめぐって–)
タブノミは穀物と同等の価値を持った重要なる食物であったんですね。

黒島で食材探しトレッキング その7 ヤマイモ

ムカゴもあちこちにある。根っこのヤマイモを採ったらかるかんの材料だ。

ヤマイモの葉のわきにムカゴをつけている。茹でて塩味、串焼きでたべる。会席料理の前菜に出てくる。

黒島で食材探しトレッキング その8 葛

葛も紫のきれいな花を咲かせて和ませてくれます。葛餅や葛きりなどは夏の定番の和菓子です。

秋の七草のひとつに葛の花があります。さっと茹でて和え物にするかてんぷらで食べます。二日酔いの予防に使用されているという。最近では美容、ダイエット効果があると注目されているといいます。また萩、ススキ、桔梗、撫子、藤袴、女郎花、葛の秋の七草で唯一食べられるのが葛です。

黒島で食材探しトレッキング その9 ビルベリー

途中にはビルベリーらしきものも実をつけています。
視力低下予防にブルーベリーよりも効果があるらしい。
山道を歩いただけで、お土産や食材がたくさん採れた。まだまだ見つければ一杯ありそうだ。

黒島で山歩きのしめはカラスウリ

山歩きのしめはカラスウリです。カラスウリは金運アップのお守りといわれます。
カラスウリの種はよく見ると打出の小槌に似ている。
打出の小槌は金運の神様で知られる大黒様の必需品です。そのカラスリの種を財布に入れておくと金運アップにつながるといいます。

トレッキングしながらこの希少な食材を売って販売する仕事ができるかな?
捕らぬ狸の皮算用でした。

でも待てよ。
お金になるものは山にはいっぱいあるが
住んでいる人たちは誰も自然を壊してまでお金を得ようとは思っていない。
お金はないがみんな生き生きして住んでいる。困ったときには山に行けばいい。
美味しいミネラル豊富な湧き水もある。
食べられる果実もいっぱいある。黒島の山は自然豊かな食材の宝庫だ!
今回はこのあたりでよかろかい。カッチン。

※動植物の採取・島外への持ち出しには許可が必要な場合があります。
もしお問合せされたいことがあれば三島村役場にご連絡ください。